2013年1月21日月曜日

中1 みらい科 「聴くこと」


寒い日が続きますね。本校がある鹿ケ谷にも雪がほんのり積もった先週から、3学期のみらい科がスタートしました。今、みらい科で取り組んでいるテーマは、「本当の自信とコミュニケーションスキルの形成」です。勉強に打ち込むにも、お友達との良い関係を築くにも、また思春期特有の困難さを乗り越えるにも大切なスキルの勉強です。

このカリキュラムでは、3つの要素を「本当の自信」を支える大切な脚として考えています。
・力を伸ばすこと。
・自分や他の人を大切にし、認め合うこと。
・責任を持って行動すること。

先週のテーマは、2番目の「自分や他の人を大切にし、認め合うこと」でした。私たちは日々の生活の中で、互いに認め合わなくては、と思いながらも、自分や相手の粗探しや批判をしてしまい、傷ついてしまうことが多々あります。聖書に「人が人を裁いてはいけない」と書いてあるということは、私たちは2000年の昔から変わっていない、ということでしょうか。

みらい科で学ぶ、相手を大切にするスキルはとてもシンプルなもの、そう、タイトルにある「聴く」こと。ちょっとした3つのポイントを学んで、3人一組で練習しました。一人1分ずつ、きちんと相手の話を聴く、というだけの練習でしたが、教室は柔らかな笑い声に溢れました。人が人とともに生きることこそが、文明がどれだけ発達しても変わらない、幸せになる方法なのかな、と感じた午後の教室でした。

★聞き上手になるための3つのポイント
(Lions Quest「思春期のライフスキル教育」プログラムより)

ホップ : 話し手に意識を集中させましょう
ステップ: 相手の立場に立ち、相手の立場だったら状況がどのように見えるか考えてみましょう
ジャンプ: 相手の話を中断せずに、「なぜ」「どこで」「どのように」などの
      質問をしてみましょう。



(文責・Miu)

2013年1月15日火曜日

中1 みらい科 「つぼみスクール」に中1全員で行ってきました。


 本校独自の特別講座 みらい科・ふしぎ科 のお出かけ講座として、「つぼみスクール」に中1全員で行ってきました。

 みらい科では1学期に、「思春期の変化を受け入れる」というテーマで授業を行ないました。これらの授業で、成長の過程で必ずおきる変化を、不安がらずに、また背伸びすることなく受け入れることは、自己肯定感の向上につながり、また子どもたちを危険から守る土台となることを伝えてきました。今回はその授業の一つとして行ないました。

 つぼみスクールは、京都を代表する企業である(株)ワコールが社会貢献の一環として行なっている講座です(京都府警と合同で防犯教室としても開催)。下着を通じて、女性の身体の変化や、TPOに合わせた服装の選び方などを学びます。身体の変化に合わせた下着の違いなどを、実物を触りながら勉強しました。身体の変化や下着の悩みはなかなか相談できないもの。この講座を通じて、いろんな疑問が解けた様子でした。また、館内のミュージアムや商品展示を見ながら、「これかわいいね」とか、「お母さんにもっと素敵なものを身につけてほしい」とパンフレットをもらう姿など、とても微笑ましい姿が見られました。








2013年1月9日水曜日

中2みらい科 2学期の取り組み報告


  中2みらい科では、2学期も引き続き「ことば」に注目して、自分自身のコミュニケーションの取り方を振り返る授業を行ってきました。その一環として、「自分が知っていること」を(そのことに詳しくない)「他者に説明する」練習もしました。最後の授業では、その実践として、「授業で取り組んできた内容」を授業を受けていない人に説明する「報告書」を生徒全員に書いてもらいました。この授業での取り組みについては、それらの報告書や、感想文を読んでいただくとお伝えできるかと思い、代表して何人かの作品を紹介させていただきます。

以下はその作品です。




◆「言語技術の授業内容の報告書」※生徒作品

  これから、1・2学期のみらい科でおこなった言語技術分野での取り組みと学習内容についての報告をします。

 まず最初の授業では自己紹介をしました。先生向けの自己紹介とクラスメート向けの自己紹介に分けて内容を考えました。ここでは相手に合わせて話す内容を分けるということを学びました。

 次に学んだのは問答の基本です。質問されたことに対してまずは直接、具体的に答え、そのあとに理由を添えることを練習しました。2学期に入って最初の授業では、事実と意見を区別することを学びました。人から取り入れた情報、また自分から発信する情報にも事実や意見が混在するので、それらを区別して把握することが必要だとわかりました。

 次に学習したのは「視点を変える」ということです。作者の視点から三人称で書かれている物語を、登場人物の一人称視点に変えて書き直すと、それぞれエピソードの見え方が違うことを実感しました。いろいろな視点を意識することで、一つの物事が深く考えられ、正しい判断につながることを学びました。

 次は「説明の仕方」について学びました。フランス国旗の説明、自分の持っていた絵の説明、自分の伝えたい情報を説明する、などの取り組みを通して、時系列、空間系列、相手の視点移動などを意識して、相手が聞きやすい説明の順番を考えるべきだということを学びました。

 そして最後に学習したのがパラグラフライティングです。例文で出されたわかりにくい説明を、トピックセンテンスサポーティングセンテンス、コンクリューディングセンテンスの三段落に分けて書き換えました。この三つの部分に分けることで、相手が心準備をして話を聞きやすくなり、すっきりした説明になることがわかりました。

 私はこれらの授業内容を通して、自分が日常で使っている言語を見直し、よりよいコミュニケーションをしていきたいなと思っています。     (Y・Mさん)



◆生徒達の感想

  ・今まで、自分が相手にどう思われているかをあまり考えなかったので、あのときの自分はどうだったのだろうと考えることができたのがよかったです。(A・T)

 ・説明する時に、いつもぐだぐだになってしまっていたけど、ちゃんと順番を考えて説明するようになったと思います。(T・O)

  ・「視点を変える」練習が一番役に立ちました。すべてが役に立っているのですが、一番役に立ったのがこれです。(M・H)

 ・私は「視点を変える」というのがとても役に立ったと思います。相手の気持ちを考えて行動することがとても大切だと思ったからです。(Y・M)

・私は作文を書くのが苦手なので、パラグラフライティングの学習で、作文を書く順番がわかってよかったです。視点を変える学習は、普段あまり考えないことなので良い勉強になりました。

・私が一番役に立つなと思ったものは、「説明のしかた」です。なぜなら、今まで他人に説明することはたくさんありましたが、それらが正確に伝わっていない方が多かったかもしれない、ということが、ペアワークをやってみてよく分かったからです。それからは、詳しくわかりやすく説明するよう心がけています。(K・K)

・「事実」と「意見」の区別、「わかりやすく説明する」、「パラグラフライティング」がこれからも役に立つと思います。最初は当たり前のことをやっていると思っていたけど、意外に知らないことも多くて楽しかったです(A・N)

・相手の質問に対して、他の話(理由を言うなど)をせずにまずは直接答える、というのが私にとって役に立ちました。これができると、相手が聞き取りやすくなり、誤解されることもへり、相手とうまく会話できるからです。また、パラグラフライティングも私にとって役に立ちました。それは、文章を書くときにすっきりとまとまりをつけられて、見やすくなるからです。(S・N)




 ・・・いかがでしょうか?

「ことば」を発するとき、またその他の行動をするとき、自分からの視点だけでなく、「聞く側(受け手)」の立場からの視点を意識することが必要です。よりよい(円滑な)コミュニケーションをはかるためには、「相手」の存在を尊重することが何より大事だからです。

 中2みらい科での言語の分野の取り組みはひとまずこれで終了しますが、これからの生活の中で、時々でもこの授業でやったことを思い出して、「あ、今の私の行動って周りから見たらどう見えるかな」とか「私の説明は相手にはどう認識されてるかな」と考える機会を作ってくれたらうれしく思います。

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